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「武漢から帰国した議員が検査拒否→コロナウイルスに感染」は誤り。「殺しに行こう」の書き込みも

リプライ欄では「ぶち殺しに行こう」「到底許せない」「名前晒し上げてやりたい」などというコメントも多くついている。

ネット上で「武漢から帰ってきた高知県議が検査拒否をしたが、県内で検査した結果コロナウイルスに感染していた」という情報が拡散している。

この情報は誤りだ。そもそも現状、高知県内でコロナウイルスの感染は確認されておらず、検査自体も実施されていないという。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

ネット上に広がっているのは、2月4日の以下のようなツイートだ。

「29日武漢から帰ってきた飛行機から日本人2人 検査拒否して帰ったやつがいたらしい その2人はなんと高知県の議会議員のやつら ほんで高知の病院で検査したら2人ともコロナウイルスだったらしい 俺のもとにくるのも遠くは無さそうだ 俺はいいけど、子供に感染がきたら俺は 止まれそうにない」

5日夕現在でリツイートは500ほどだが、リプライ欄では「ぶち殺しに行こう」「到底許せない」「名前晒し上げてやりたい」などというコメントも多くついている。

ただ、この情報は誤りだ。

高知県健康政策部健康対策課の担当者は、BuzzFeed Newsの取材に対し、「そもそも、県内でコロナウイルスが疑われる患者の検査は実施していませんし、患者も発生していません。また、現状国内で陽性反応が出た人のなかで、居住地が高知の人はいません」と回答した。

また、高知県議会の議会事務局もBuzzFeed Newsの取材に対し、「政務活動費で海外に行く場合は事前に届出が必要だが、事務局として把握している範囲では、武漢に行った議員はいない」としている。

検査拒否の2人は感染なし

武漢に滞在している高知県の居住者がいないか県が調査した結果、学校関係者が数人に滞在しているという情報は1月29日に知事が発表しており、メディアにも報じられている。

また、この日は武漢からのチャーター便の第一陣が帰国した日で、そのうち2人の検査拒否がいたことは大きく報じられていたため、ふたつの情報が合わさった可能性は否定できない。

なお、検査拒否をした2人はその後検査を申し出、感染がないことが確認されている。

新型コロナウイルスをめぐっては、真偽不明の情報が多くネット上に飛び交っている。公的機関など、責任を持って発表されている信頼できる情報を選別することが大切だ。

厚生労働省のQ&Aサイトはこちらから。世界中で広がる「あやしい情報」のファクトチェック一覧はNPO法人「ファクト・チェック・イニシアチブ」(FIJ)の特設サイトで見ることができる。

BuzzFeed Newsでも「新型コロナウイルス どれぐらい警戒したらいいの? 感染症のスペシャリストに聞きました」などのコンテンツを配信しています。一覧はこちらから。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。