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今年度がラストチャンスの高校1年生の女子 HPVワクチンまだ3回公費で受けられます!

小学校6年生〜高校1年生の女子が公費で受けられる定期接種となっているHPVワクチン。合計3回うつのですが、通常1回目と3回目の間は6ヶ月開けなければいけないのを、それより短い期間でうちおえてもいいのです。

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐHPVワクチン。

小学校6年生から高校1年生の女子は、公費でうてる「定期接種」となっています。

このワクチンは、免疫を十分つけるために合計3回うつ必要があり、通常、1回目と3回目の間は、6ヶ月の期間を空けなければいけないことになっています。

つまり、今年度がラストチャンスの高校1年生の女子は本来、10月までに1回目をうっておかないと3回目まで公費でうてなくなってしまう、と言われています。

HPVワクチンは自己負担でうてば1回約1万5000〜1万7000円程度かかり、3回分で約5万円もする高いワクチンです。

でも高1女子のみなさん、まだチャンスがあるんです!

4価ワクチン(ガーダシル)なら11月までに1回目をうてば3回とも全て自己負担なしでうつことができるのです。

いったいどういうことなのでしょうか?

日本で使えるHPVワクチンは2種類 「2価」と「4価」

ヒトパピローマウイルスは100種類以上の型があることがわかっていますが、そのうち、がんになりやすいものは十数種類あります。

その中でも、「16型」「18型」は特にがんになりやすく、子宮頸がんの6割はこの2つの型が原因とされています。

日本で使えるHPVワクチンは、

「16型」「18型」という特にがんリスクの高い2つの型への感染を防ぐ「2価ワクチン(商品名:サーバリックス)」と、

「16型」「18型」に加え、尖形コンジローマという良性のイボのようなものの原因となる「6型」「11型」の合計4つの型への感染を防ぐ「4価ワクチン(商品名:ガーダシル)

があります。

「定期接種実施要領」に書いてあるただし書き 標準の間隔が取れない場合

さて、定期接種は予防接種法で定められ、具体的な方法は施行令定期接種実施要領で定められています。

HPVワクチンについて具体的な接種の間隔などは、この「定期接種実施要領」第2の「各論」に書かれています。

まず、2価ワクチンの方の間隔を見てみましょう。

ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種に、組換え沈降2価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンを使用する場合には、13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間を標準的な接種期間とし、標準的な接種方法として、1月の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から6月の間隔をおいて1回行うこと。


ただし、当該方法をとることができない場合は、1月以上の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から5月以上、かつ2回目の接種から2月半以上の間隔をおいて1回行うこと。

つまり、標準的な方法としては、1回目と2回目の間に1ヶ月以上の間隔を空け、なおかつ、1回目と3回目の間には6ヶ月の間隔を空けるとされています。

ただし、この方法を取ることができない場合は、

1回目と2回目に1ヶ月以上の間隔を空け、なおかつ、1回目と3回目の間には5ヶ月以上、2回目と3回目の間は2ヶ月半以上空けて行うこととしています。

というわけで、2価ワクチンの場合は10月中に1回目をうっておけば、今年度がラストチャンスの高1女子も5ヶ月後の3月までに3回目をうち終えて、3回とも公費でうつこと、自己負担ゼロでうつことができました。

もう過ぎてしまいましたので、まだ2回だけ無料でうてるチャンスが残されています。

4価ワクチンは今月中が1回目のリミット

では4価ワクチンの方はどうなのでしょうか?

ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種に、組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチンを使用する場合には、13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間を標準的な接種期間とし、標準的な接種方法として、2月の間隔をおいて2回行った後、1回目の接種から6月の間隔をおいて1回行うこと。


ただし、当該方法をとることができない場合は、1月以上の間隔をおいて2回行った後、2回目の接種から3月以上の間隔をおいて1回行うこと。

つまり、標準的なうち方であれば、1回目と2回目に2ヶ月の間隔を置き、なおかつ1回目と3回目の間を6ヶ月置くこととなっています。

ただし、この方法を取ることができない場合は、1回目と2回目に1ヶ月以上の間隔を空け、なおかつ2回目と3回目の間に3ヶ月以上の間を置くこととなっています。要は1回目と3回目の間に最低、4ヶ月の間隔を取ればいいよと言っているのです。

今月中に1回目をうてば、3回とも自己負担なしで受けることができます。

厚労省予防接種室 「このうち方でも同等の効果が期待される」

標準的な接種の間隔とは別に、どうしてこのような間隔のうち方が書かれているのでしょう。

厚生労働省予防接種室の専門官は、「サーバリックスガーダシル、それぞれの添付文書の『用法及び用量に関連する接種上の注意』には、やむを得ない場合としてこの方法が記載されており、標準的なうち方と同等の効果が期待できるからです」と話します。

ただ、この但し書きのうち方は、予防接種を行なっている医療機関に周知されているわけではありません。

世田谷区で予防接種を行う小児科医、森戸やすみさんは、クリニックの経営者が世田谷保健所に確認したことで、今月中なら間に合うことを知りました。

世田谷保健所の感染症対策課長の安岡圭子さんは「23区は均一な方法で予防接種の方法を対象者や医療機関に伝えることにしており、23区全てで、この方法を積極的には周知していません。積極的勧奨もされていませんから」と話します。

森戸さんは、「1回に1万数千円も払うならうたない、無料で受けられるなら受けたいと思う対象者もいるかもしれないので、これは広く知らせるべき情報だと思います。HPVワクチンをうちたいと考えている高校1年生の女子は急いで受けてほしいです」と呼びかけています。

2価ワクチン(サーバリックス)は1回目のリミットを過ぎていました。4価ワクチン(ガーダシル)は12月中ではなく、11月中が1回目のリミットでした。訂正します。

2価ワクチン(サーバリックス)は1回目のリミットを過ぎていました。4価ワクチン(ガーダシル)は12月中ではなく、11月中が1回目のリミットでした。