「第三次世界大戦」「#WWⅢ」「#worldwar3」ーー。
2020年の年明け早々、このような言葉が日本を含む世界各国のTwitterトレンドワードを埋め尽くした。
トランプ米大統領の命令で、米軍がイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官を空爆により殺害。両国の間で緊張が高まったことがきっかけだ。
世界が新たな戦争の可能性に揺れるなか、アメリカ各地やイギリス、カナダで1月4日、人々は街に出て反戦を叫んだ。
タイムズスクエアでのデモに参加した会社員の子田稚子さん(ニューヨーク在住)はBuzzFeed Newsに対し「私は戦争は絶対に反対で、デモに参加しました」と語る。
子田さんが参加したデモには約200人が参加したという。
日本では昨年末の12月27日、政府は自衛隊を中東に派遣することを閣議決定している。
一方で、日本では中東での緊張の高まりについて無関心な人が少なくないのも事実だ。
子田さんは「年末に自衛隊の中東派遣が決まったこともあるので、もしことが進めば巻き込まれる可能性もある。まずは(事実を)知ってほしい」と話す。
同じくタイムズスクエアでの反戦デモに参加したジョシュア・ポタッシュさんはBuzzFeed Newsに対しこう話した。
「人々は、アメリカ大統領が始める終わりなき戦争に怒っているし、疲れている。デモでは『戦争をするな』『米軍は中東から撤退しろ』とシュプレヒコールが叫ばれました」
人々はトランプ・インターナショナル・ホテルの前にも集まり抗議した。
アメリカで始まった、イランとの戦争に反対するオンライン署名では、2日間で8万7千筆以上の署名が集まっている。
署名のコメント欄にはこのような声が寄せられた。
「平和はかけがえのないもの。トランプ大統領の選択は間違っている」
「戦争が始まれば多くの命を失うことになる。人の尊い命を奪う権利は誰にもないはずだ」
バーニー・サンダース上院議員や、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員など民主党の議員らも、Twitterやインスタグラムで反戦を訴えている。
サンダース議員はこうツイートした。
「地元の州で多くの葬儀に出席した。戦争で子どもを亡くした多くの母親と話した。戦地で足や腕を無くして、帰国後もPTSDを患っている多くの兵士たちと話した」
「アメリカ国民は終わりなき戦争を望んでいない。トランプ大統領がイランとの戦争にアメリカを引きずりこむことを許してはならない」
イギリス・ロンドンでも反戦を訴える集会が開かれた。
アメリカの他に、イギリスやカナダでも、人々は街に出て「戦争をするな」「爆弾はいらない」と声をあげた。
カナダのオンタリオ州トロントで集まった人々
アメリカのトランプ大統領は1月5日、「アメリカは2兆ドルを軍事装備に費やした。米軍は世界最大で最強だ。もしイランが米軍基地やアメリカ人を攻撃したら、躊躇なくそれらの美しい新兵器をイランに送る」とツイート。
イランで1979年に起きた米大使館占拠事件で人質となった52人に言及し、イランが米軍基地などを攻撃した場合、「イランやイラン文化においてとても大切な場所を含む52カ所を標的にする」ともツイートしている。